トップ > 蓮村誠さん(マハリシ南青山プライムクリニック院長)

2
マハリシ南青山プライムクリニック院長
蓮村誠さん

今夜のゲストは、マハリシ南青山プライムクリニック院長の蓮村誠さんです。大和書房から出版された『アーユルヴェーダ式2週間で毒出し生活』を中心にお話を伺いました。
「アーユルヴェーダ式2週間で毒出し生活」
菅原:
あれをぽたぽた、ぽたぽた、いいごま油ですか、そういうものをずーっと垂らして、これは一体なんなんだっていうことで、ちょっと経験したりっていうところまではあるんですが、そっから先は意外と知らないんですよね。
蓮村:
そうです、日本ではどうしてもエステの感覚で広がったところがあるので。ただ、ほんとにしっかりとした医療体系ですから、アーユルヴェーダっていうのは。
菅原:
何千年の歴史というと、5,000年、6,000年?
蓮村:
それは、3,000年とか5,000年とか。
菅原:
非常に古くて、中国の漢方に影響を与えたということなんでしょうね。
蓮村:
そういっちゃうと、中国の方があれですけど。ただ、いろんな各地域、世界の、医療の源泉ともいわれてますから。
菅原:
それだけ長い歴史と。現在でもインドではアーユルヴェーダ大学とか、そういう医療体制の敷かれている大学がたくさんあるわけですね。
蓮村:
はい、たくさんあります。政府公認の、そういうアーユルヴェーダの大学と、もちろん西洋の医療の大学とあって、町にも普通の病院と、アーユルヴェーダの病院があると、そんな感じですね。
菅原:
一般の人たち、インド人の人たちもアーユルヴェーダで治そうっていう人は何割ぐらいいるんでしょうね。
蓮村:
どうでしょうね。現地調査をされてないから分かんないです。でも、結構多くの方が普通に通ってらっしゃるし。でも、地元なんかでは、おそらくお母さんがキッチンファーマシーという形で、スパイスを使って、そのアーユルヴェーダの知識で、それでご家族の健康管理をされているっていうのが普通だと思います。
菅原:
そのぐらい代々家の中に受け継がれてきた、そういう家庭の医学が十分あるということですね。
蓮村:
はい。
菅原:
日本でも昔は家庭の医学があったんですが、今はほとんど無くなっちゃってですね。
蓮村:
仏教医学みたいなのは日本にもあると思うんですけど、仏教医学の基本はアーユルヴェーダなので、似てるところはあると思います。
菅原:
それで、いわゆるアーユルヴェーダの基本っていうのは、この中にありますが、毒というものを重視しているわけですね。
蓮村:
はい、そうですね。
菅原:
だから、アーマといわれる毒を、どのようにして体の外に出していくかっていうことを結構重視しているというふうに、この本を読んで思ったんですけれど。このアーマっていうのは、体の中にたまっているだけじゃなくて、精神にもアーマはたまるんですか。
蓮村:
うん。アーマっていうのは、日本語に訳すと未消化物なんですけども、外から取り入れた物はなんでも、体の処理をするような食べ物として取り込んだ物、あるいは、私たちが見たり聞いたりした物は心の中に入るわけですけど、その取り込んだ物がきちっと処理されきれない場合に、それが未消化物として残る。つまり食べた物が消化されきれないでちょっと血糖として残ってしまったり、あるいは、コレステロールとして残ってしまって、これもアーマの一種だし、例えば非常に悲しい出来事を見たり、聞いたりしたときに、そういったものを自分の心が処理しきれずにたまると、それもアーマとして心に残るっていうことですね。
菅原:
普通体に残ってる方のコレステロールだとか、血糖の糖だとか、非常に分かりやすいですが、心の方の未消化物っていう発想は意外と分かりにくいですね。
蓮村:
そうですね。でも、結構皆さん実感としてはあるんじゃないでしょうかね。
菅原:
そうですね、未消化物というような表現方法はびっくりなんですけど、ただ、普通の言い方でいうと、ストレスかなみたいなね。
蓮村:
そうですね、ストレスっていう言い方とか。
菅原:
要するに私はストレスがたまっていると、よーく話を聞いてみると、何かの事件があったり、自分が望んだ結果でなく、その結果もやもやしたものだとか、それがうまくいかなかったからいらいらしてたりとか、解決法が見つからないから不眠になったりとか、そういうのをここでは未消化物という表現なんですね。
蓮村:
そうです。個人がある何か願望を持ったときに、かなわなければそれがいつまでも心の中に残りますもんね。これも未消化物の一つです。
菅原:
仏教で執着とかよくいいますけど、そういうものも未消化物というふうになって。その心の方の毒も体の毒も同時に外に出していくことができるんですか。
蓮村:
そうですね。浄化という言葉を使いますけど、自分の内側でそれを燃やして無くしてしまったり、あるいは、体外にそれを排出したり、そういうことですね。
菅原:
例えば心の問題ってたいていはカウンセラーに行ったりとかそういうので、話を聞いて、話させることでとか、心理療法だったら、箱庭作ったりとか、絵を描いたりとか、もしくは、暴力的なんだったら椅子壊したりとか、そういうことをイメージしますけれども、ここでは全然違うわけですか。
蓮村:
そうですね。一つは消化力というのを大切に考えてます。取り込んだ物が結局消化しきれなかったものがアームですから、心や体の持ってる消化力を強く安定させてあげれば、残ってしまった物はちゃんと燃やしきることができると考えますから、その消化力をどれ程その人がちゃんと持っているかを診察で見ながら、それを強くしたりバランスを整える処方を出していきます。
菅原:
消化力を高めるっていうのは、体の消化力を高めると、心の未消化物も同時に消えていくものなんですか。
蓮村:
そうですね、リンクしているので。やはり胃腸の働きが中心になるんですけども、胃腸の持ってる消化力を強く安定させると、体全体の代謝にも影響するし、ひいては心のそういう処理をする力とか、そういうのにつながります。

蓮村誠

1961年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業、医学博士。オランダマハリシ・ヴェーダ大学、マハリシ・アーユルヴェーダ認定医。特定非営利活動法人 ヴェーダ平和協会理事長。東京慈恵会医科大学病理学教室および神経病理研究室勤務の後、1992年オランダマハリシ・ヴェーダ大学、マハリシ・アーユルヴェーダ医師養成コースに参加。現在、診療に当たる傍ら全国各地での講演活動、書籍執筆、テレビ出演、雑誌の連載などマハリシ・アーユルヴェーダの普及に努める。
著書に「ファンタスティック・アーユルヴェーダ」(知玄舎)、「生命礼賛(いのちらいさん)」(総合法令出版刊)、「いのちの治療)」(総合法令出版刊)、「コーリング・アイアム」(知玄舎)などがある。