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吉岡英介さん

今夜のゲストは吉岡英介さんです。ドニエプル出版から出版された『日本新生、さらば核発電』を中心にお話を伺いました。
『日本新生、さらば核発電』
菅原:
安全なのは、やめればいい。やめれば安全で、やめない限りは、日本はあまりにも大きな、民族として滅亡する可能性を持ってるんですよね。
吉岡:
狭いですからね。
菅原:
狭くて地震ばっかりですからね。
吉岡:
そうです。
菅原:
だから、安全を確認しましたって、いい加減なことをいわないでっていうぐらい、地震が来て、地震の上にみんな立ってるわけですよね。
吉岡:
野田さんは安全が確認されたといって、関西広域連合なんかも、そんな感じで受け止めて、朝日が皮肉ってましたけども、最初ガツンと当たって、あとは流れでお願いしますって、相撲の八百長の電話ですけど、そんな感じでしたね。だから、安全なことはないわけです。安全でないことは、斑目委員長が前、静岡の裁判所で証言してまして、安全、安全といってたら、こんなものはつくれませんと証言してるわけです。
菅原:
いついったんですか、それは。
吉岡:
これは浜岡の立地をどうするかっていう。
菅原:
ずっと前ですね。
吉岡:
もう10年ぐらい前、もっと前かな。そのときに、そういう証言をされてますから、安全委員長がそういうことをいってるってことは、安全な原発はないっていうことです。
菅原:
安全な原発はないっていってても、それが今になると安全になっちゃうわけですね。
吉岡:
安全だから動かすというのは、大飯原発の話でいうと、お金の問題ですね、みんなが考えているのは。関西電力、このまま火力やれっていわれても、お金が、誰も出してくれなきゃつぶれちゃいますから、そこをどうするかということです。
菅原:
これだけの災害があったら、もっとお金を、関西電力に国家のお金を融通するとか、そういうふうにしてでも、つぶさないようにする方法はないんですか。
吉岡:
それはいくらでもありますけども、今の政府の状況で、それがいい出せないという、消費税上げなきゃいけないとか、いろんなことがあるので。基本的には一時的に電力を上げてでも、火力へのシフトをやっていくとか、太陽光とか、地熱とかを開発するためのお金をかけるとか、結局は国民の負担ですけども、そのことをいわないわけです、誰も。国民も実はいわないんです。だから、原発は止めろと、電気はよこせと、金は電力会社で調達しろという、それはできませんよという話は分からないではないんですね。
菅原:
だから、私たちが、去年だって我慢して、そうやって節電したわけだから、やってやれないことはないっていう。
吉岡:
そうですね。やってやれないことはないし、もう一つ覚悟するのは、停電になってもしょうがないと覚悟ができるかどうかですね。
菅原:
輪番制のそういうのでやれば、停電まで行かなくても、ちゃんとマネージできるんじゃないの?
吉岡:
計画的にね。
菅原:
計画停電やればね。
吉岡:
できるとは思いますけども、それは関西電力は、もう需給の問題じゃないっていって開き直ってますからね。需給が対等である、そういうこと関係なしに、大飯を動かしてほしいと、お金がないと、こういうことですから。
菅原:
そういうお金がない、ないっていうことは、お金の問題であれば、逆に簡単じゃないかと思いますけどね。
吉岡:
そうです。だから、政治の問題なんですよ。政治がビジョンを示して、これに向かうから、その間は今ある原子力発電のうちの安全そうなものは動かしてでも、10年かけてこっちへ向かうんだというビジョンを出してくれないと、国民もどうしていいか分かんないようなところがありますね。
菅原:
本当に私は別に、なんとか反対とか、賛成とかっていうのは、あんまり好ましいものではないと思うけど、要するにどちらの方向にこの国は向かっていくのか、ビジョンをしっかり示して、その間はこうしましょう、ことしはこうしましょう、この1カ月はこうしましょうと、大きなビジョンからブレークダウンしていくのが、リーダーの仕事ですよね。
吉岡:
メルケルさんはそれをやったわけです。だから、ドイツはそれで行けるわけです。菅総理もそれをいったけれども、降ろされて、野田さんがそれをあんまりいわなくなっちゃったから、どっち行ってるんですかって話ですね。
菅原:
だから、本当にふらふら、ふらふらしてて、選挙が近づいてくると、また選挙に都合のいいことだけを前に押し出すとか、非常にふらふら、ふらふらしてて、ちゃんとした20年後、30年後のビジョンをきちっと持ってる人が居ないこと。
吉岡:
野田さんがふらふらしてるのか、ふらふらしてるふりをしてるのか、よく分からないとこもありますし、細野さんとか、枝野さんは、はっきり脱原発を目指して布石を打ってると思うんです、今の政治を見てると。
菅原:
まだ、そういう意味で、長期的展望に立てば、そういう部分もあることはある?
吉岡:
現実に40年で廃炉ということが、一応原則として確立しましたので、ほっとけばなくなるんです。新しくつくるって話までは、国民はそこまでは到底行きませんから。
菅原:
そうですよね。こんなもの、いまさらつくってどうするの? 地震の上につくってどうするの? ですよね。だから、地震がある国でこんなことをやってるのは、世界で日本しかないわけですよね。
吉岡:
そうです。