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建築家
安藤忠雄さん  

今回のゲストは世界的な建築家の安藤忠雄さんです。建築界のカリスマと呼ばれる安藤さんは、これまでの人生と建築を語った初の自伝「建築家・安藤忠雄」を新潮社から出版されました。
夢を持つということには光と影がある
菅原:
最後に、この本のタイトル、テーマなんでしょうけど、「人間が夢を持つっていうことは光と影がある」と。やっぱり「安藤忠雄」ってストーリーはサクセスストーリーじゃないんだよ。というこの本の究極のところに書いてありますね。
安藤:
光と影といいますか、本当にどういう状況でも両方あるんですよね。うまくいかない時もあるけど、うまくいく時もあるし。自分が学歴なくても学歴あるやつと戦うこともできるし、いろんな状況の中で自分が考え続けるんだと。私、子供心にさっき話しました大工さんが一生懸命働いてる姿見ながら働くということはこういうことだと。だから、私は事務所の入り口で仕事をしているんですが、働き続ける間だけは仕事をすると。商品の中で一番前で走り続けられる間は仕事をする。同時にだんだん大きい建物になったので、だんだん小さくしていって、10年後くらいに仕事をやめる頃には住吉の長屋よりも小さい建物で終わりたいと。そういう建物を最後にしたいと思いますね。
菅原:
それはそこからスタートして、最後はもっと小さい建物をと。最後は住宅に戻るということですね。本当にこの熱い専門家、建築家の方々は全部読むといいと思いますが、私たち素人が読んで楽しく、そして未来への展望とか若い人に対する希望、七転び八起きじゃないけども、へこたれるなという部分がとってもうれしいメッセージなんですよね。本当にありがとうございます。
安藤:
ありがとうございます。

安藤忠雄

昭和16年大阪生まれ。独学で建築を学び、昭和44年に安藤忠雄建築研究所を設立。昭和54年日本建築学 会賞、昭和60年アルヴァ・アアルト賞、平成元年度フランス建築アカデミー大賞(ゴールドメダル)など。瀬戸内海の破壊された自然を回復させるため中坊公平氏と共に「瀬戸内オリーブ基金」を平成12年 に設立。アメリカイェール、コロンビア、ハーバード大学客員教授歴任。平成9年から東京大学教授、 現在、名誉教授。